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●歴史ある英国製橋の保存を①
~アートとしての産業遺産~
東京都北区を走るJR京浜東北線に「東十条駅」があります。この駅の南口(王子駅側)に「十条こ線橋」という古い橋があります。橋の長さは約30㍍。
下の写真がその全景です。
この橋は、1895(明治28)年に、英国のコクラン(コックレーンともいう)という会社で造られ、当初は、日本鉄道本線(現・JR東日本東北本線)の旧荒川橋梁として使われていましたが、その後、橋の架け替えで1932(昭和7)年に東十条のこの地に道路橋として移設されました。
英国から輸入されて124年、東十条に移って87年。この間、重要なインフラとして地域に貢献してきました。
しかし、東十条駅南口の整備計画により、この橋は撤去される方向になっています。
なんとか、現状のままでは無理としても、どこか他で再活用できないものでしょうか。第三の人生を歩ませたいと思っています。
東京産業考古学会の会員でもある筆者は、ヘリテージ・フォトグラファー(遺産写真家)を名乗っていることもあり、この橋をアートとして撮影しました。産業遺産といえば、古く、肩苦しいイメージがないでもありませんが、アートでほぐして皆さんに見てもらいたいと思っています。
黄昏のシルエット
取り急ぎ以上です。次回②へと続きます。 (K.O)