産業遺産へGO! 過去のきらめきに触れたい

日本の近代化に寄与した産業遺産に関する話題

「高輪築堤」で会員が投稿

東京新聞に掲載されました!

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東京新聞に載った投稿記事

 東京産業遺産学会の会員、東海林次男さんが東京新聞に高輪築堤保存に関して投稿された5月17日付記事のコピーを添付しました。

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<ご参考:JR東日本の決算>

 JR東日本の今年3月期決算は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う人の移動制限の影響をもろに受け、5,779億円の最終損失となりました。赤字決算は1987年の国鉄分割民営化後初めてです。

 高輪築堤保存に関しては、調査・保存費用などで1,672億円の特別損失を計上しました。

 コロナさえなければ、もっと保存エリアを広く確保できたはずとの見方もあるかと思いますが、筆者はそれよりも、調査・保存費用を「特別損失」に計上したことに疑問を感じます。

 会計処理上、通常の業務以外で生じた費用を特別損失として扱います。自然災害や有の有価証券の評価損などがその代表例ですが、必ずしも明確な基準があるわけではありません。「特損」は、どちらかといえば受け身、マイナスの響きがあります。

 JR東日本としては、高輪築堤を街づくりなどに貢献するものとして、前向きに評価する考えはなかったのでしょうか。古いモノはなんでもかんでも保存すべきとまでは思っていませんが、高輪築堤のような誰にでもその価値が分かる歴史的遺産をお邪魔虫的に冷たく見る経営姿勢は如何なもんでしょうか。一般の庶民感覚とずれていませんかねえ。

 このブログを書きながら、同社のホームページをつらつら見ているのですが、建前の向こう側に本音が透けて見えるようで…。              (O)