産業遺産へGO! 過去のきらめきに触れたい

日本の近代化に寄与した産業遺産に関する話題

団地の話題に「キューポラのある街」?

キューポラあっての産業遺産の町・川口市

 東京産業遺産学会の会員から、赤羽台団地のブログ(書いたのはマダムBBさん)に関連し、以下のメールがブログ管理人宛てに届きましたのでご紹介します。管理人が編集して記します。

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 久しぶりに「キューポラのある街」の名前に接し、嬉しく思っています。マダムBBさん、有難うございます。

 この映画は日本を代表する女優、吉永小百合をスターにしただけでなく、映画のロケ地である鋳物の町、埼玉県川口市を全国に知らしめるきっかけにもなりました。

 

 

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映画「キューポラのある街」のタイトル画面

 小型鋳物を意味するキューポラ(キュポラとも)の名前は、JR川口駅前の再開発ビル「キュポ・ラ」に付けられるように、川口市のシンボルになりました。産業遺産が映画と結びついて記憶されるようになるなんて嬉しいですね。

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川口駅前の再開ビル「キュポ・ラ」(2018年撮影)

 

 

 同駅前の「キュポ・ラ広場」には、鋳物工の像も建っています。

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川口駅前の鋳物工の像(2018年撮影)

 

 マダムBBさんのブログに、浦山桐郎監督が吉永小百合を主人公に起用するのを当初嫌がったとありましたが、映画の中の吉永小百合が下です。ロケ地は荒川の土手です。

 

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映画「キューポラのある街」の中の吉永小百合

 かつて鋳物工場があったところは現在、ほとんどがマンションになりました。川口は東京への通勤に便利ですからね。映画のロケ地で主人公・ジュンの家と工場があったところもマンションになりました。

 

 

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(映画のロケ地は32階建て超高層マンショになり、その敷地内の公園にはロケ地だったことを記した案内板とともに、だるまストーブなど鋳物製品がいくつか置かれています)

  この超高層マンションは、川口駅から歩いて5~6分の所にある「リビオタワー川口ミドリノ」ですが、メールを送ってくれた会員Yさんによると、この32階建てマンションが完成した2006年に公園内を散策していて、犬を連れた50代の地元の男性とたまたま言葉を交わしたとのこと。

 その男性の父親は、キューポラのある街のロケ隊の世話をしたとのことで、このマンション近くに当時あったいくつかの小料理屋にロケ隊が分かれて寝泊まりし、そこでみんなで食事を取ったりしたのだが、男性の父親が吉永小百合がたまたまトイレに入っている時に側を通りかかり、薄い板の扉の向こう側から聞こえてきた“ある音“に感動、今でも大切な思い出としてしているのだとか。

 産業遺産は五感で感じ取るもの!ですね。

 以上、会員Yさんからのメールを整理して記しました。

                              (以上)Y