産業遺産へGO! 過去のきらめきに触れたい

日本の近代化に寄与した産業遺産に関する話題

“薬都“トヤマからのつぶやき②与謝野晶子・鉄幹が…~その㈠

▼あら、来てたのね!

 土蔵造りの町並みが続く高岡市の山町筋(やまちょうすじ)に、赤レンガ造りの建物が保存残されていることを前回紹介しましたが、そこから高岡駅を背に昭和通りを7分ほど歩くと、千保川に架かる鳳鳴橋があり、その橋を渡ったすぐ左手に与謝野晶子&鉄幹の歌碑があります。

 与謝野夫妻は全国各地を旅しており、筆者などは2人の歌碑を見付けると「あら、ここにも来てたのね」と感じる次第です。夫妻は昭和8年11月に高岡を訪れています。

 歌碑がある場所は高岡鋳物発祥の地で、「高岡市鋳物資料館」が近くにあります。金屋町(かなやまち)と言って、銅器生産の中心地でした。こちらも山町筋と同様、重要伝統的建造物群保存地区に指定されていますが、町並みには山町筋とはひと味違う隠れ屋的な秘めた雰囲気が満ちています。

 銅鋳物工場は既に郊外の工業団地に移転しました。産業遺産学会(旧・産業考古学会)では、産業遺産を顕彰するための銅製プレートは高岡市のメーカーに発注しているそうです。

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 高岡観光の目玉の一つが「日本三大仏」と言われる青銅の高岡大仏ですが(ネットでは「思ったより小ぶり」といった感想がいくつも出ています。鎌倉に実家がある人は、長谷の大仏を幼少の頃から見ているので、「えっ、と感じる小ささだった」と記していました。ちなみにこの大仏の高さは約16㍍。

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高岡大仏

▼美男子 

 ただ、高岡大仏を拝顔した晶子は「鎌倉大仏より一段と美男」と述べたそうで、晶子の一言で折り紙付きの大仏となりました。有名人のつぶやきはなかなかの影響力です。

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晶子が美男と褒めた高岡大仏

 鉄幹夫妻に触れましたので、夫妻の愛を語るには欠かせない鉄道遺産の町・福井県敦賀へ。その後、また富山に戻ります。                (奥っくん)