産業遺産へGO! 過去のきらめきに触れたい

日本の近代化に寄与した産業遺産に関する話題

“薬都“トヤマからのつぶやき

 赤レンガ研究の第一人者で、「東京産業遺産学会」(旧・東京産業考古学会)の前会長、八木司郎さんの全国赤煉瓦番付シリーズは、感染症の拡大で取材になかなか出歩けないこともあり、同学会の会員で富山県に住んでいるワタクシ(愛称:奥っくん)が赤煉瓦ブログを引き継ぐ形で、産業遺産を中心に日記風につぶやきたいと思います。

・2021.4× 高岡市

f:id:TIAS:20210428215108j:plain

富山銀行本店(富山県高岡市

 富山県には、赤レンガづくりの建物があまりありません。写真の赤レンガ建築は、歴史的建造物が立ち並ぶ高岡市山町筋(やまちょうすじ)にあります。

 高岡共立銀行の本店として大正3年に竣工しました。高岡市立博物館によると「県内唯一の本格西洋様式建築」とのことです。

 設計は田辺淳(1879~1926)です。

f:id:TIAS:20210428223227j:plain

晩香盧(東京都北区西ヶ原。国の重要文化財

f:id:TIAS:20210428224116j:plain

青淵文庫(東京都北区西ヶ原。国の重要文化財

 かつて筆者は、東京都北区西ヶ原にあるアパートに住んでいました。狭い道路を挟んで建つ高い塀の向こう側は飛鳥山公園で、その一角に渋沢栄一ゆかりの青淵文庫大正14年竣工)、晩香盧(ばんこうろ。大正6年竣工)があります。これらを設計したのが田辺淳吉なのです。

 

 田辺の作品を改めて調べてみました。初期のもので現存している建物はなく、1928(大正3)年に完成した高岡市の赤レンガ建築が最も古いようです。

 高岡市では、この赤レンガ建築を保存して観光の目玉にしたい考えです。(K.o)