“薬都“トヤマからのつぶやき
赤レンガ研究の第一人者で、「東京産業遺産学会」(旧・東京産業考古学会)の前会長、八木司郎さんの全国赤煉瓦番付シリーズは、感染症の拡大で取材になかなか出歩けないこともあり、同学会の会員で富山県に住んでいるワタクシ(愛称:奥っくん)が赤煉瓦ブログを引き継ぐ形で、産業遺産を中心に日記風につぶやきたいと思います。
・2021.4× 高岡市へ
富山県には、赤レンガづくりの建物があまりありません。写真の赤レンガ建築は、歴史的建造物が立ち並ぶ高岡市の山町筋(やまちょうすじ)にあります。
高岡共立銀行の本店として大正3年に竣工しました。高岡市立博物館によると「県内唯一の本格西洋様式建築」とのことです。
設計は田辺淳吉(1879~1926)です。
かつて筆者は、東京都北区西ヶ原にあるアパートに住んでいました。狭い道路を挟んで建つ高い塀の向こう側は飛鳥山公園で、その一角に渋沢栄一ゆかりの青淵文庫(大正14年竣工)、晩香盧(ばんこうろ。大正6年竣工)があります。これらを設計したのが田辺淳吉なのです。
田辺の作品を改めて調べてみました。初期のもので現存している建物はなく、1928(大正3)年に完成した高岡市の赤レンガ建築が最も古いようです。
高岡市では、この赤レンガ建築を保存して観光の目玉にしたい考えです。(K.o)