産業遺産へGO! 過去のきらめきに触れたい

日本の近代化に寄与した産業遺産に関する話題

◎旧碓氷線のアプトの道 ~廃レールも再活用~

 赤レンガ建築研究者、八木司郎氏による『日本赤煉瓦建造物番付<群馬県場所>』で、富岡製糸場と並んで横綱になった旧碓氷線の赤煉瓦構造物等について、東京産業考古学会(会長:八木司郎)では今年1月に、碓氷峠浪漫倶楽部の萩原豊彦理事長を講師としてお招きし、いろいろお話を伺いました。

 東京産業考古学会のHPです。→ http://tias3.web.fc2.com/

 

 JR軽井沢駅から横川駅までの旧碓氷線に沿って、新潟県で採れる石油を首都圏に運ぶためのパイプラインが敷設されていて、その遺構が現在でも部分的に残っている(非公開)とは初めて知りました。

 

 下の写真は、碓氷第三橋梁(通称「めがね橋」)です。旧碓氷線エリアで最も有名な場所です。横川駅から現地まで歩約1時間20分。 (2018年8月撮影)

 

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 萩原講師も講演で触れておられましたが、JRの「大人の休日倶楽部」のPR撮影が吉永小百合をモデルにここでなされました。写真に人影が写っていますが、その少し先あたりに吉永小百合が佇むというシーンでした。

 私が4年前に現地を訪れた時、橋の周辺の草刈りをしていた年配の作業員が、撮影目撃談をこう話してくれました。

 

 「別の女性モデルを橋の上に立たせて、カメラマンがしばらくテスト撮影をした後、トンネルの中から車に乗った吉永小百合がJRのスタッフらと現れ、そのモデルと交代、ほんの数分の感じだったなあ、カメラマンがシャッターを押したのは。撮影が終わったら彼女はその場から去った」と。

 

 (下の写真は2016年7月撮影)

 

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 碓氷線の跡は現在、遊歩道「アプトの道」となってます。

 

 下の写真は、アプトの道沿いに走る観光電車です。横川駅そばにある「碓氷峠鉄道文化むら」から旧丸山変電所の横を通って、峠の湯駅まで行きます。約3キロ。

(撮影:2018年8月)

 

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 碓氷線は急勾配だったため、登山鉄道などに使用するアプト式レールが使われました。スイスの技術者、ローマン・アプト(1850~1933)が開発しました。

(上の写真には写っていません)

 

 アプト式レールとは、通常のレールの間に歯車状の別のレールを敷き、機関車の下に取り付けた歯車(ラックギア)とかみ合わせることで、急勾配でも列車が滑らずに上り下りができるようにしたものです。

 

 下の写真は、不用となったアプト鉄道のレールを、側溝の蓋に転用したものです。

アプトの道近くで見かけました。

 

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 JR信越本線「横川駅」前の側溝にも使われています。(撮影2010年8月)

 

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 下の写真は信越本線磯部駅」のロータリーです。正面の建物は駅舎。

 

 同駅は横川駅と高崎駅の中間にあります。磯部温泉の最寄り駅です。

 磯部温泉は、情緒溢れる静かな温泉地です。静かさの中でゆっくりしたひとときを過ごしたい人向きです。

 市営の温泉施設「恵みの湯」が同駅から歩いて10分の所にあります。筆者は碓氷線の産業遺産見学の後、よく立ち寄りました。

                         (撮影:2019年1月)

                                

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                                  以上です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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