産業遺産へGO! 過去のきらめきに触れたい

日本の近代化に寄与した産業遺産に関する話題


            日本赤煉瓦建築番付について

 新元号「令和」になって初めての大相撲名古屋場所がはじまっている。上位になった力士は新番付表を手にして喜んでいる姿がテレビで毎回放映されている。 

  赤煉瓦ネットワークという団体がある。全国で22団体、約1000名の会員という。

 主な団体は横浜市舞鶴市北九州市半田市喜多方市敦賀市など市内にかなり多くの赤煉瓦建造物があり、その赤煉瓦をこよなく愛している人々が組織の中心になり、行政と協力し「個性あるまちづくり」をめざして活動している団体である。

 毎年1回大会が開催されており、今年で28回目になる。開催地は関西地方の最大煉瓦生産地であった岸和田市で開かれる。現在、岸和田には煉瓦工場はないが、煉瓦生産の遺構が数多く残っているという。

 2000(平成12)年、相撲の番付表にならって「日本赤煉瓦建築番付」が藤森照信氏・堀勇良氏・清水慶一氏・水野信太郎氏によって、全国で172ヶ所の赤煉瓦建築物を選び東西に別けて番付表を作成したのです。

 2013(平成25)年、北九州‣門司大会の時、「日本赤煉瓦建築番付・関門場所」として新しい番付表が藤原恵洋氏及び市原猛志氏が中心となり作成され、全国197ヶ所の赤煉瓦建築物が名を連ねている。

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 全国にはトンネル・橋梁・水路など土木事業として赤煉瓦が多用されている産業遺産がかなり存在していることは分かっていた。しかし、これまでの番付表は土木関連の赤煉瓦については除外して、建築物を対象にしたものであった。

 2018(平成30)年、横浜大会のとき小野田滋氏がまとめた「日本赤煉瓦土木番付」が

発表された。特筆すべき土木遺産については「碓氷峠鉄道施設第三橋梁」とし、他のトンネル・橋梁についてはまとめて「碓氷峠鉄道施設群」と表記している。全体としては個々の名称は少なく「琵琶湖疎水施設群」とか「紀の川橋梁煉瓦橋脚」、「日本鉄道煉瓦トンネル群(常磐線)」など群や集合体名で全国154ヶ所を東西に別けて番付表が作成されている。

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 筆者は2013(平成25)年の番付表197ヶ所の煉瓦建築物を全部見て廻ろうと考えていたが鹿児島と沖縄だけは、まだ撮影しに行っていない。さらに、「日本赤煉瓦土木番付」が発表されたので、赤煉瓦造の完全踏破は困難になったようである。

      2019年7月14日            八木司郎